知がめぐり、人がつながる場とは。

私が属しているコミュニティーには、人材開発系の方や教育関係者が多数いらっしゃいます。

具体的に言うと、企業の人事部門の方、研修会社の講師、小中高校、大学の先生などです。

よって、facebookの投稿記事でも「学び」に関する投稿を見ない日はないほどで、いつも多くの学びをいただいています。

そんな中で知ったのが、東京大学大学総合教育研究センター准教授である中原先生。以下のブログの記事がよくシェアされています。


中原先生の著書である「知がめぐり、人がつながる場のデザイン―働く大人が学び続ける”ラーニングバー”というしくみ」が、あすよみの運営の参考になるのではないかと思って図書館で借りてみたのですが、よい意味で裏切られました。

本の存在はかなり以前から知っていたのですが、もっと早く読んでおけばよかったと後悔するレベルでした。ある意味、「あすよみ」の理想形がラーニングバーというカタチで実践されていたのです。


大事だと思った一文をご紹介します。

ーーー他人に「変われ、学べ」と言いながら、主催者側がテーマについて学んでいないセミナーやフォーラムがあれば、それは論理矛盾でしょう。

ーーー新規の参加者が少ない状態が続くと、やがてその場はサロン化し、衰退の一途をたどります。

ーーー対話とは「違い」を楽しむ行為なのです。

ーーー楽しく学ぶのではない。楽しさのなかに学びがあふれている

ーーーラーニングバーにおいて、情報とはシェアするためのものであり、リフレクションを促すためのものなのです。そして、参加者がシェアし、リフレクションをうながす情報は、一流の話し手から発せられるものでなければならない。

ーーー対話の本当の意味は、他者とのかみ合わない話をきっかけにして、自分が知っていること、そしていつの間にか「アタリマエ」の前提としていることに「裂け目」を入れることなのです。

ーーー人は、教えてもらえると思った瞬間、“考えないスイッチ”が入る

ーーーラーニングバーは単なるイベントではなく、良質な学習経験(ラーニング・エクスペリエンス)を社会に魅せる場である

ーーー組織に染まった人は、その時点で組織がもっている価値観に対して揺るぎのない確信を抱く一方で、それとは違うものを知らず知らずのうちに排除したり忌避したりするようになります。

ーーー人を組織に順応させることに成功した、ということは、反面で「変化を嫌う頑迷な個人をつくった」ことと同義である場合が多いのです。

ーーー「ラーナビリティ(学習可能性)」が高い個人、別の言葉で言うならば「変化可能性のある個人」が求められています。


この本は2011年に出版されています。私がワークショップとかファシリテーションについて学び始めたころなんですが、当時の私にとってここまでの未来をみることはできていませんでした。


238ページにこんな一文があります。

ーーー「変化」の時代を生きる人々にとって、今後、社外の学びの場はより求められるようになるのではないか、(省略)変えるべきものをアンラーンし、新たな物事を生み出す主体が今よりもさらに必要になるでしょう。


本の出版から7年経ちましたが、中原先生の予言通り、社外の学びの場は増え続けていますし、誰もが手軽に勉強会を開いたり、講師になったりすることを支援する様々なプラットフォームが整いつつあります。

ラーニングバーのノウハウも取り入れながら、「あすよみ」を進化させていけたらと思いました。


あすよみ発起人 マサ


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